荏原郡と調味料と。
- 2015/06/21
- 00:47

「えばら」と聞けば、「エバラ焼肉のタレ」くらいしか思いつかない私ですが、
かつて品川、目黒、大田、世田谷の一部は武蔵国荏原郡と呼ばれる地域でした。
鉄道で言えば東急沿線がカバーしている地域がほぼ荏原郡域にあたります。
現在でも品川区の地名として「荏原」、駅名でも東急大井町線「荏原町」などが残っていますが、
郡名は7世紀後半から登場し、その由来は荏(荏胡麻)が生い茂っていた原「荏の原」だったという説が有力で、
この地域で採れた荏胡麻の油は大和朝廷に献上されていたようです。
もちろんエバラ食品の社名も、品川区荏原に工場があったことが由来。
まさに調味料でつながる歴史のロマンですな。
そんな調味料に由来するまち荏原に、新たな調味料「エジプト塩」が生まれて数年。
天才フードデザイナー・たかはしよしこさんが作り上げたこの魔法の調味料は、私の食卓にもすっかりお馴染みの顔です。
そんなエジプト塩を求めて、よしこさんのアトリエS/S/A/Wに出かけたついでに近辺を歩いてみました。
荏原郡全域の土地勘がない私にとって、
最寄り駅である西小山(東急目黒線)がどんなまちなのかよく分かっていなかったのですが、
まちが立会川暗渠に沿っていることから自然とその流路を遡る散歩になりました。
源流のひとつにあたる碑文谷八幡宮は、平安時代の武将・畠山重忠の守護神を祀るために家臣筋によって建てられた神社。
馬を背負っていくさに臨んだ畠山重忠公のやさしさや武勇にあやかりたいなあ、なんて思いながらバスにゆられて家路についたのでした。
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